2011年4月アーカイブ

私たちが何かを説明しようとして、それがうまくいく場合とうまくいかない場合があります。
当たり前の話ですが、すべての説明はその受け手に「評価されて」しまうからです。

では、説明の受け手は「何を」評価しているのでしょうか。

大きく二つに分ければ、それは「説明の内容」と「説明の仕方」で評価されると言えます。
コンテンツとプロセスの両面で説明の善し悪しが評価されているわけですね。

口頭での説明であれば、「語っている中身」と「語り方」なわけですが、これはどちらか一方が高い評価をもらえば良いわけではありません。

どんなに中身が良くても、たとえば相手に本当にため(得)になる話であっても、語り方が悪ければ「確かにその通りだけど...」と反発されたり、「何が言いたいんだ?」と理解されなかったり、酷い時には誤解を生んでしまうことすらあります。

反対にどんなに語り方がわかりやすく、そして相手に心地よい語り口であっても、非常識な内容や相手の神経を逆なでする内容であれば、話を二度と聞いてくれなくなるかもしれません。

ですから、説明においてはこの「内容」「語り方」は"足し算ではなくかけ算"で評価されているのです。

さて、このふたつの要素のうち「内容」については、私たちは誰でも日常的に「良い内容を語ろう」と意識しています。

ところが、もう片方の「語り方」については「内容」ほど気を配っていない(あまり意識されていない)のが現実です。

「日本語の乱れ」などとよく言われます。

「正しい日本語を使うべきだ」と言う人がいます。

しかし、「正しい日本語」とは何なのでしょうか?

そもそも言葉は生き物。時代とともにそれが変化するのは自明です。
だから新しい言葉が生まれるのは当然で、それは単に「今まで無かったモノゴトに新しい名前をつける」ということだけではありません。

たとえば、ネットのスラングなどもそうでしょう。

猫のことを『ぬこ』、犬のことを『わんわんお』と呼ぶのは、単に生物の種族としての呼び名である猫や犬を「愛すべき存在」として認識しているからです。

以前流行した「KY(空気読めない)」や「MK5(マジでキレる5秒前)」なども、所謂『新語』ととらえるべきで、何ら日本語の乱れとは関係ありません。

だから本来は「正しい日本語を使うべきだ」ではなく、「正しく日本語を使うべきだ」というのがそれこそ日本語の乱れを嘆く方々の主張なのかもしれません。

しかし、この「正しく日本語を使うべきだ」という主張も、私は表面的な主張が多いような気がしています。

先日、半期に一度の慶應MCC方針説明会議に出席しました。
営業や企画スタッフ等、それぞれの機能のリーダーが前期の定量面・定性面を振り返り、これから半年の方針を周知する会議です。

一言で言えば、全員のベクトルを合わせる会議と言えるでしょう。

特に今回は各リーダーの発表が素晴らしく、非常に有意義な会議となりました。

その中で、今のこの社会状況だからこそ皆さんと共有したい内容がありましたので、本日は発表者(慶應MCCの責任者です。夕学五十講の司会者と言えばご存じの方もいらっしゃるでしょう)の了解も得て、ご紹介させていただきます。

彼はこう口を開きました。

「こんな時だからこそ、『疾風に勁草を知る』で我々はいきましょう」


季節外れの寒さもようやく峠を過ぎ、都内の桜もほぼ満開になってきました。
とはいえ、今年は例年のようなお花見の風景は見られないようです。

言わずもがな、震災後の自粛ムードからです。

お花見に限らず、様々なイベントが中止になっています。
数ヶ月後の東京湾花火大会も、早々と中止が発表されました。

確かに自粛は「無難な」選択です。
「えー、やらないのー?」という文句はでるでしょうが、少なくともこの選択で「不謹慎だ」と叩かれることはありません。
だから私も「自粛すること」が間違っているとは思いません。

しかし、納得できないのも確か。

この自粛ムードに異を唱える人の論拠の多くは『経済の視点』です。
「自粛で経済を停滞させることが、震災でダメージを負った日本経済にさらに追い打ちをかける」という論調です。

確かにそうした観点もありますが、今日は少し別な切り口で、この自粛ムードに私なりの意見を述べてみようと思います。

『震災からの復興』を語るにはまだ早いのかもしれません。
今私たちは「何かをお祝いする」気分にはなかなかなれないでしょう。

31日15時時点で死者・行方不明者は約28,000人であり、ご家族の方の喪失感は計り知れないものがあります。
また、福島第一原発の事故は現在進行形であり、私も含め不安な日々が続いています。

しかし、4月は多くの方の"門出"でもあります。

社会人としての一歩を踏み出す方。
そして入学・入園を迎える方。

今日は、そうした方々に私なりのエールを送りたいと思います。

それもこんな時期ですから、あえて「怖い」という感覚について考えてみましょう。

プロフィール

桑畑 幸博

慶應丸の内シティキャンパスシニアコンサルタント。
大手ITベンダーにてシステムインテグレーションやグループウェアコンサルティング等に携わる。社内プロジェクトでコラボレーション支援の研究を行い、論旨・論点・論脈を図解しながら会議を行う手法「コラジェクタ®」を開発。現在は慶應丸の内シティキャンパス で専任講師を務める。また、ビジネス誌の図解特集におけるコメンテイターや外部セミナーでの講師、シンポジウムにおけるファシリテーター等の活動も積極的に行っている。コンピューター利用教育協議会(CIEC)、日本ファシリテーション協会(FAJ)会員。

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