2010年10月アーカイブ

今年の個人的目標として『ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)の拡充』を掲げている桑畑@慶應MCCです。

昨日その一環として、某女子高での公開授業&ワークショップに参加してきました。

ゲスト講師は夕学五十講にもご登壇いただいた藤原和博さん。
近著の『はじめて哲学する本』を題材に、職業について、また個性や才能について8つのグループに分かれて話し合い、最後には生徒さんたちが「長期的にどのような分野でクレジット(信任)を積み上げていくか」を発表しました。

トータル2時間半の公開授業でしたが、あっという間に時間が過ぎ、「もっと彼女たちの話を聞きたいし、こちらも話をしてあげたい」と感じながら終了しました。

単純に「女子高生とこんなに話せて楽しかった」という感想ももちろんある(笑)のですが、今回のワークショップで私が最も感じたのは、「日本の未来は思っている以上に明るい。しかしそのための課題も大きい」ということでした。

会議でも、またメールやtwitterでも議論の大好きな人がいます。
いや、『議論』というより『討論』や『論議』の方が適切かもしれません。
前回のエントリーで述べた、「勝ち負けを決める」議論のことです。

そういう「とにかく自分の言い分を通そう」という姿勢の人を見ると、「論破することが目的なのかなあ」と思うことがあります。

もちろんそれを否定はしません。単純に議論をゲームととらえることも可能だからです。
『2ちゃんねる』のユーザーによく見かけるタイプですね(笑)

しかしそれがゲームでなく、本当に「方向性を明確にしたい」とか「問題の所在を明らかにしたい」などの目的があるとしたら・・・

論破することが目的ではないはずです。

それなのになぜ我々(この状態になる可能性は全ての人にありますから)は、「自分は正しい。あなたは間違っている」という姿勢で論破しようとするのでしょうか。

とあるML(メーリングリスト)で、こんなやり取りがありました。
(以下は内容そのものではなく、意図が変わらない程度に編集しています)

Aさん:(Bさんのメールを受けて)
 「それ、このMLで議論してみてはどうでしょう?」
Bさん:
 「『議論』という言葉に戸惑いを覚えました。議論はしなくても、色々な人があるテーマで何を考えどう感じているかを聞くだけでいいと思います」
Cさん:
 「それは『議論』という言葉のとらえ方の違いでは」

確かにCさんの仰るとおりなのでしょうが、日頃から(本ブログでも繰り返し語っているように)「言葉の定義」に関心が高い私は、ここからこう考えたのです。

「ファシリテーターって言葉選びに気を配るべきだなあ」

私の嫌いな言葉に『マスゴミ』があります。
新聞やテレビなどの偏向報道、やらせ、誇張表現などを理由に、それらマスコミをこき下ろすときによく使われます。

私がこの言葉を嫌いなのは、本ブログでも以前述べたように「十把一絡げで語り、レッテルを貼る」のが、愚かな思考停止だと思っているからです。

さて、この『マスゴミ』発言の文脈でしばしば同時に言われるのが、「マスコミは事実だけをしっかり報道しろ」という主張です。

この主張、「報道は中立であるべきだ。だから主観を交えずに事実だけを伝えるべき」と言いたいわけですから、一見正論のようですし、賛同する方も多いでしょう。

しかしこれ、実はとんでもなく愚かな主張です。

私は以前のエントリーで、『「ロジカルシンキングはもう古い」と言う人は、「ロジカルシンキング=ロジックツリー」という誤解がある』と述べました。

ロジックツリーに対する批判がロジカルシンキングへの批判にすり替わっているとも言えます。

では、どのような批判がロジックツリーに対してあるかと言えば、多くは「斬新な発想が出てこない」というものでしょう。

酷い人は「ロジックツリーで考えるとみんな同じ答しか出てこない」とまで言います(笑)



そしてロジカルシンキングを、その中でも「重要なツール」としてロジックツリーを位置づけ、教えている私も、その批判に異論を唱えるつもりはありません。

確かにロジックツリーは万能の思考ツールではありませんから。

プロフィール

桑畑 幸博

慶應丸の内シティキャンパスシニアコンサルタント。
大手ITベンダーにてシステムインテグレーションやグループウェアコンサルティング等に携わる。社内プロジェクトでコラボレーション支援の研究を行い、論旨・論点・論脈を図解しながら会議を行う手法「コラジェクタ®」を開発。現在は慶應丸の内シティキャンパス で専任講師を務める。また、ビジネス誌の図解特集におけるコメンテイターや外部セミナーでの講師、シンポジウムにおけるファシリテーター等の活動も積極的に行っている。コンピューター利用教育協議会(CIEC)、日本ファシリテーション協会(FAJ)会員。

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