2009年4月アーカイブ

私が子供の頃の“アタマの良い人”とは、“物知り”とほぼ同義でした。
つまりたくさんの情報(知識)を「記憶している」ことが素晴らしいと、一般的に考えられていたわけです。

しかし今やこの「知識が豊富」であることの重要性が薄れてきています。

そう、「知らなくたってググれば(googleで検索すれば)わかる」と考える人が増えたからです。

確かにインターネットという『全世界で共有された脳』が存在し、その膨大な情報の中から目指す情報に効率的にたどり着けるgoogleは、たいへん便利な道具です。
私も毎日お世話になっていますし、googleを代表とする検索エンジンなくしては、インターネットの価値はゼロとは言わないまでも悲劇的に下がるのは間違いないでしょう。

さて、ここで詳細なgoogleの功罪を語るつもりはありませんが、googleという便利なツールがあるからと言って、「今や知識を覚える必要なんてないんだよ」という短絡的な考えには反論したいと思います。

考えてみてください。今や知識を覚える必要性は、本当に薄れたのでしょうか?

これに答えるためには、まず『知識の用途』について考える必要があります。

リストラ・派遣切り・内定取り消しと、100年に一度という不況の嵐が吹いています。

しかしバブル崩壊後の不況に比べると、「しばらく我慢すればなんとかなる」という空気があるのはなぜでしょうか。

ひとつには「バブル崩壊の経験を通して、各企業が体力をつけている」ことが挙げられます。
確かに倒産する企業は多いですが、以前のような金融機関の破綻や誰でも知っている大手企業の倒産の危機は、ニュースとしては伝わってきません。

そしてこの「ここは我慢のしどころ」という空気のもうひとつの要因に、「この不況下で過去最大の利益を上げている元気な会社も多い」ことも挙げられるでしょう。

「でもそれは一部の生活関連の企業だけで」と反論したい方もいるかもしれません。

しかし本当にそうなのでしょうか?

「今は不況なんだから仕方がない」が、言い訳ではないと断言できますか?


私は別に窮地に陥ってリストラを行う経営者を非難したいのではありません。

全てのビジネスパーソンに対して、他人や環境のせいにして「俺に言われても困るよ」と思考停止してしまうことの危険性を考えていただきたいのです。


というのも、実は先日友人達との飲み会で、いたく感心(感動といっても良い)させられた話があったからなのです。

多くの報道でご存じの通り、リクルートが8日発表した大学生の就職志望企業ランキングが例年以上に話題になっています。

特徴的なのは、「(1)JR東海・(2)JR東日本・(3)全日空と、交通インフラ企業が上位を占めた」ことと、「トヨタが6位→96位、ソニーが8位→29位と、自動車・電機メーカーの人気が急落した」ことでしょう。

この結果に対してリクルートは、「社会インフラ関連企業は不況下でも業績が堅調なため、昨今の景気悪化で安定志向が強くなった。また、電機・自動車メーカーの人員削減のニュースも学生に活躍の場がないとの印象を与えた」と分析しています。

さて、あなたはこのニュースで何を考えましたか?

「まあ当然だろうな」と思われましたか?


私がこのニュースでまず感じたのは、「なんと情けない結果だ」ということです。

ちょっと旬は外してしまいましたが、侍ジャパンのWBC連覇は本当に嬉しいニュースでした。

正直準決勝と決勝の日は仕事にならず、ケータイのワンセグ機能が便利なことを初めて認識しました(笑)

決勝で10回表に2点タイムリーを放ち、それまでの不振から一躍ヒーローになったイチローは、昨日はWBCの疲れからか体調不良でオープン戦途中で帰宅してしまいましたが、メジャー復帰直後のオープン戦でも2安打を放ち、さすがと思わせてくれました。

そのイチローが、2安打を放ったオープン戦直後のインタビューでこう言っていました。

「マリナーズはタレントが揃っているから本来弱いわけがない。WBCの日本との違いは、勝つことに対する前向きさだ」

また、こうも言っています。

「侍ジャパンは、時間をかけていないからこその“儚い”チームならではの一体感があった」


さて、このイチローの発言にある『前向きさ=モチベーション』と『一体感』は、参加国のチーム力を測る上での評価指標になり得るでしょう。
北京オリンピックでの星野ジャパンの惨敗時も、「韓国チームとの差は実力よりもメンタル面」という論調も多かったはずです。

ということで、かなり乱暴ではあるのですが、今回のWBCで決勝トーナメントに残った日本・韓国・アメリカ・ベネズエラを、『実力(個々の選手の能力の平均値)』と上記の『モチベーション(個々の選手の勝ちに対する前向きさの平均値)』『一体感(チームとしてのまとまり)』という3つの指標で評価してみたいと思います。

なお、『実力』は世界最高峰であるMLB選手の数と質および各国国内リーグの格、『モチベーション』と『一体感』はメディアの報道と実際に試合を見た私の主観(笑)で採点します。(だから乱暴だと最初に言い訳したわけです)
また、ここではベネズエラを評価基準としました。


しかしここで考えなくてはならないのが、「チーム力はこの3つの指標の合計点(足し算)になるのか、それともかけ算になるのか?」ということです。

プロフィール

桑畑 幸博

慶應丸の内シティキャンパスシニアコンサルタント。
大手ITベンダーにてシステムインテグレーションやグループウェアコンサルティング等に携わる。社内プロジェクトでコラボレーション支援の研究を行い、論旨・論点・論脈を図解しながら会議を行う手法「コラジェクタ®」を開発。現在は慶應丸の内シティキャンパス で専任講師を務める。また、ビジネス誌の図解特集におけるコメンテイターや外部セミナーでの講師、シンポジウムにおけるファシリテーター等の活動も積極的に行っている。コンピューター利用教育協議会(CIEC)、日本ファシリテーション協会(FAJ)会員。

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