2008年12月アーカイブ

早いもので2008年ももう少しで終わりです。

今年も公開セミナーに研修にと走り回っていたらもう年末、ということで個人的にもあっという間の1年でした。

こうして振り返ってみると、講師としての幅も予定通り広げ、深めることができた(もちろん完璧ではなく反省も多いですが)ように感じますし、念願の著書も出すことができました。
なかなか充実した1年だったと思います。

これもひとえに多くの受講生や企業の研修担当者、そして慶應MCCのスタッフとこのブログの読者である皆さんのおかげです。

本当にありがとうございました。


さて、本年最後のエントリーは、最近ちょっと危惧していることについて書いてみたいと思います。(ちなみに本エントリーは記念すべき100番目の投稿です!)

インターネットやパソコン、そして携帯電話の普及に伴い、本当に便利な世の中になりました。

シームレスにいつでも・どこでも・誰とでも繋がることができるユビキタス社会がほぼ実現したと言えるでしょう。

しかしこの便利さが「アタリマエ」になったことで、様々な弊害が出ていることも確かです。

私が特に気になるのは、社会全体が

◆のんびり、あるいはじっと「待つ」ことができなくなった。
◆ぶらりと、あるいはウロウロと「寄り道する」ことができなくなった。

ように見えることです。

先日ある異業種2社合同での研修を行いました。

テーマは企画提案力の向上だったのですが、異業種交流型の研修ということで、2社のコラボレーションを経験することでどれだけ刺激を受けるか、自社の強みと弱みに気づくか、も研修の重要なねらいでした。

2日間に渡る研修の最後に振り返りを行いました。

●2社の従業員や風土の共通点は何か?
●2社の相違点は何か? それは何に起因するのか?

以上のポイントで考えていただいたのですが、なかなか興味深い意見が出てきました。

「沿革の違いもあって大事にするものが違う。それが微妙な考え方の違いとして出ていた」

「両社とも元はベンチャーということで、積極性や人当たりの良さは共通していた」

「ただ、もっと斬新な企画アウトプットが作れたはずで、両社ともにベンチャースピリットが薄れてきているのではないか? 大企業病に罹りつつあるのでは?」


そこで最後に私がお話しさせていただいたのが、

「3トリ症候群に気をつけましょう」

でした。

本年7月の金融庁の発表によると、金融機関におけるキャッシュカードの生体認証(指紋・虹彩・血管の形などによる個人識別)システムは、対応ATMの普及率が33.2%で、カードそのものは3.1%だそうです。

このデータから、皆さんは何を考えますか?

「へえ、端末は意外と普及してるんだ」と思われたかもしれません。
「カードの普及は・・・こんなものなんじゃないの?」と考えられた方もいるでしょう。

本件、金融庁としては「カードの普及が遅れているとはどういうことだ!」というスタンスのようです。
そしてカードの普及が進まない原因には、「ユーザーのセキュリティに対する意識が低い」という見解を示しています。

様々な犯罪にキャッシュカードが悪用されているにも関わらず、「自分は大丈夫」と考えている。
そのために一生変わらない、そして他人は誰も使えないパスワードを提供する生体認証システムの普及を進めてきた。

それなのになんだこのカード普及率は?

国民のセキュリティに対する意識が低すぎる!


さて皆さん、この論理展開に納得できますか?

できないですよね。論理に穴がいくつもあるし、論理の飛躍もあるし。
まあ、「上から目線が気に入らないから」という方もいるかもしれませんが(笑)


ではいつものように(笑)

「分けて」考えてみましょうか。

プロフィール

桑畑 幸博

慶應丸の内シティキャンパスシニアコンサルタント。
大手ITベンダーにてシステムインテグレーションやグループウェアコンサルティング等に携わる。社内プロジェクトでコラボレーション支援の研究を行い、論旨・論点・論脈を図解しながら会議を行う手法「コラジェクタ®」を開発。現在は慶應丸の内シティキャンパス で専任講師を務める。また、ビジネス誌の図解特集におけるコメンテイターや外部セミナーでの講師、シンポジウムにおけるファシリテーター等の活動も積極的に行っている。コンピューター利用教育協議会(CIEC)、日本ファシリテーション協会(FAJ)会員。

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