2008年7月アーカイブ

ロジカルシンキングの研修やセミナーでは、時々こんな声が聞こえてきます。


「でも先生、現場は理屈じゃないんですよ」


言いたいことはよくわかります。

人間には感情がありますし、さらに性格や価値観も文字通り十人十色。

私も元営業マンですから、理屈が通用ししない場面には何度も遭遇しました。


しかしながらこの発言、実は間違っています。

「理屈じゃない」ではなく、「理屈だけじゃダメ」が正しい表現でしょう。

研修やセミナーを行っていると、しばしば「ああ、この人もったいないな」と感じることがあります。

たとえば、ある課題の解決策をグループ演習で考える場面で、ひとつの答えが見つかった時点で満足してしまい、それ以上考えなくなってしまう人がいます。
そしてグループの他のメンバーから他の案が出ると、それを否定したりします。

「いや、それはありえない。なぜならば・・・」

この主張がまた論理的だったりするものですから、他のメンバーもそれ以上何も言えなくなってしまいます。

しかし研修やセミナーでは、演習のアウトプット以上に重要なのが、『考えるプロセス』です。
「どんな良いアウトプットが出たか」よりも、「どうやってそのアウトプットを出したか」を振り返ることで学んでいるのですから。

実にもったいない。

周りからも、また自分自身も「デキるヤツ」と考えている人が陥りやすいのが、この「広く考えられない」という思考停止状態です。

これでは、せっかくの学びの機会を活かすことができません。


では、なぜこうした「デキる人」が、広く考えられなくなってしまうのでしょうか。

今、日韓で揉めているあの島。さて、あれは「竹島」なのか「独島」なのか?

あなたはどちらが事実を言っていると思いますか?


正解は、「今のところどちらも事実ではない」です。

実のところ、韓国も日本も言っているのは“意見”です。
論拠とする歴史書と、その解釈に違いがあれば、対立する意見になってもなんら不思議ではありません。
日本も韓国も納得いくまで主張し、そして議論すればよいのです。

問題なのは、本件の本質は経済論理(資源や漁業権)であるにも関わらず、それを愛国心にすり替えようとしている人々の存在です。
愛国心はもちろん尊重すべきですが、感情は人の目を曇らせ、そして視野を狭くします。

国民がもう少し自分の頭で考えないと、政治家達にいいように誘導されてしまいます。


さて、本日のテーマは、実は竹島問題ではありません。

竹島問題を最初のサンプルとして、「“事実”と“意見”を切り分ける」ことについてお話ししたいのです。

iPhone日本上陸


ニュースの切り口

本日午前7時、ついにアップルの携帯電話『iPhone』 がソフトバンク表参道で販売を開始しました。

従来型のキーパッドを廃したタッチパネルに操作と特徴的なデザイン、そしてMACやiPodという「オシャレ」なブランドイメージと新規契約23,040円からという割安感。

全世界で既に600万台を販売したこのiPhoneは、「売れないはずがない」商品と言えます。

だからこそドコモ、au、ソフトバンクが争奪戦を繰り広げたのであり、当面は独占販売となるソフトバンクの気勢が上がるのも当然です。

本日の販売開始時にも、孫社長自ら販売開始のカウントダウンイベントにも参加し、「携帯電話がインターネットマシンになるとずっと思ってきたが、今日はその記念すべき日だ。パソコンよりもiPhoneの方がインターネットを使っていて便利という時代になる。皆さんと興奮と感動を共有できて嬉しい」と挨拶されたようです。

確かに歴史的な日かもしれません。

しかしそれは、単に「iPhoneが発売された日」や「携帯電話がインターネットマシンになった日」ではなく、また「ソフトバンクが勝ち組に転じた日」として歴史に刻まれる日ではないように思います。

私個人としては、「ケータイの業界構造が転換した日」として歴史に残るのではないか、と密かに期待しているのです。

皆さんの中には、部下や後輩を指導することも業務のひとつ、という方も多いでしょう。また、親として我が子の指導に頭を悩ませている方もいるでしょう。

今回は、そうした部下・後輩・子供をどういうタイミングで指導するか、について考えてみたいと思います。

ひと月ほど前になりますが、我が家でこんなことがありました。

娘はその日部活のコンクールでした。
疲れて帰ってきた彼女ですが、コンクールではベストが尽くせたということで、妙にハイテンション。
「今日までどんなに大変だったか」を、私たち両親に話しています。
自分でもハイになっているのを自覚しているようで、帰宅する前、駅で同じ部の友達とかなり騒いでいたことまで、楽しそうに報告します。

そうしたら、ここで母親(私の妻でもありますが)が口を挟みました。

「駅で騒いじゃダメでしょ? 登下校中に騒がないようにって先生もおっしゃってたよね?」

娘の顔がとたんに不機嫌になります。
私は笑いながら言いました。

「ママ、それはKYだよ」

プロフィール

桑畑 幸博

慶應丸の内シティキャンパスシニアコンサルタント。
大手ITベンダーにてシステムインテグレーションやグループウェアコンサルティング等に携わる。社内プロジェクトでコラボレーション支援の研究を行い、論旨・論点・論脈を図解しながら会議を行う手法「コラジェクタ®」を開発。現在は慶應丸の内シティキャンパス で専任講師を務める。また、ビジネス誌の図解特集におけるコメンテイターや外部セミナーでの講師、シンポジウムにおけるファシリテーター等の活動も積極的に行っている。コンピューター利用教育協議会(CIEC)、日本ファシリテーション協会(FAJ)会員。

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