2008年6月アーカイブ

ファシリテーションに関するセミナーや研修では、「無駄な会議が本当に多い」との声をよく聞きます。

先日も公開セミナー『会議ファシリテーション』のグループワークで、こんな話が聞けました。

「定例の各部門の責任者が集まる会議が、議論になっていない。また各部門個別の論点が議題となっているため、自分に関係のある議題以外はただそこにいるだけ」

確かに会議の是非から検討すべき状況です。

しかしさらにこの話は続くのです。

「そんな会議なのに、回数を増やすことになりそう」

えっ? それは何故?

「社内のコミュニケーション不足を理由に、その機会を増やすのが目的らしい」


コミュニケーション不足を解消するために会議?


そしてこれについて議論している内に、私の中である仮説が生まれたのです。

SG法のススメ


3分間ラーニング

今回は前回の続きとして、会議でのホワイトボードの活用についてお話しさせていただきます。

議論の鏡として『参加者 VS 論点』という状況を作り、効果的・効率的会議を支援するホワイトボードですが、これは「ファシリテーターが書かなければいけないもの」という決まりはありません。

ファシリテーターとは別にホワイトボード係を用意しておけば、ファシリテーターは議論の進め方のみに集中できますし、またホワイトボード係にもファシリテーション・スキルがあれば、ふたりの連携でより高度なファシリテーションを行うことも可能です。

そして今回は、さらにこれを推し進めて「全員がホワイトボード係」という会議の進め方をご紹介したいと思います。

会議の生産性を上げるひとつのツールとして、ぜひ一度やってみてください。

それが、SG(スタンディング・グラフィック)法です。

私はこのブログの最初のエントリーで、「会議においてホワイトボード(模造紙やパソコンでも可)は必須です」と訴えました。

ホワイトボードは単なる記録媒体ではないからです。

(1)発言の論旨が可視化されることで、論旨の誤解を防ぐとともに、論点が可視化されることで無用の脱線などの論点の迷走も防止する。

(2)様々な意見が可視化されることで、考えのモレや次の展開などにも気づきやすくなり、触発を誘発する。

つまり、会議の効率(短時間での議論)と効果(コラボレーションの実現)の両面で、ホワイトボードは「なくてはならない」ツールなのです。

そして実は、ホワイトボードにはもうひとつの重要な機能があります。

それは“議論の鏡”としての役割です。

“評価”の本質


3分間ラーニング

我々は気軽に“評価”という言葉を使いますが、そもそも“評価”とは何なのでしょうか。

辞書を引くと、評価とは
(1)物の善悪・美醜などを考え、価値を定めること。
 「死後に学説の―が高まった」
(2)品物の値段を定めること。また、その値段。
 「土地の―が年々上がる」「―額」
(3)物の値打ちを認めてほめること。
 「―できる内容の本」
             (三省堂提供「大辞林 第二版」より)

と説明されています。

管理職の方でしたら、部下の『人事評価』が身近な例でしょう。

しかしその人事評価、部下に点数をつけたら終わりですか?

そもそも人事評価は何のために存在するとお考えですか?


プロフィール

桑畑 幸博

慶應丸の内シティキャンパスシニアコンサルタント。
大手ITベンダーにてシステムインテグレーションやグループウェアコンサルティング等に携わる。社内プロジェクトでコラボレーション支援の研究を行い、論旨・論点・論脈を図解しながら会議を行う手法「コラジェクタ®」を開発。現在は慶應丸の内シティキャンパスで専任講師を務める。また、ビジネス誌の図解特集におけるコメンテイターや外部セミナーでの講師、シンポジウムにおけるファシリテーター等の活動も積極的に行っている。コンピューター利用教育協議会(CIEC)、日本ファシリテーション協会(FAJ)会員。

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