2008年5月アーカイブ

前提条件の省略


3分間ラーニング

「電車の中では携帯電話での通話は控えてください」

よく耳にする鉄道会社からのお願いです。

では、このお願い(携帯での通話を控える)が正当だと我々が感じるのはなぜでしょうか。

考えるまでもありませんね。

「周りの人に迷惑がかかるから」です。

つまり「他人に迷惑をかけるのは良くないこと」という“前提条件”が、我々の共通認識として成立しているため、「まったくその通り」と我々は考えるわけです。


この共通認識があるから、わざわざ「他のお客様の迷惑になりますので」と言わなくても、我々は「電車の中で携帯で話すのはやめよう」と、お願いを聞き入れます。

しかし、同じ事をあなたが小学校低学年の子供(最近は小学生の携帯持ちも多いですよね)に言う場面を想像してください。

その時は、「周りの人の迷惑になるから、電車の中で携帯で話すのはやめようね」と言いませんか?

さて、この違いは何なのでしょうか。

「そんな意味で言ったんじゃない」

よく聞く言い訳です。
特に舌禍議員と呼ばれるセンセイ方や、炎上したブログのオーナー達の口からは、必ずと言って良いほどこのセリフが聞こえてきます。

ただ、そのほとんどは聞き手の誤解ではなく、話し手の苦しい言い訳でしかないわけですが。

しかし、苦しい言い訳でなくても、あなたも同じ台詞を吐いたことはありませんか?
そして心の中で、(まったく…理解力が足りないヤツだ)と呟いたことはありませんか?

正直言って私はあります(笑)

しかし今になって考えると、自分が間違っていたことがほとんどだと考えています。

つまりほとんどが、私の表現力不足だったのです。

某大学の准教授が、個人ブログでの暴言でバッシングされています。
彼女の場合は、その発言が他者を「貶す・貶める」表現になっていたのが、所謂“炎上”の要因でしょう。

やはり「貶す」というネガティブな行為は、反発を生みやすいと言えます。

さて、その一方で、どうも最近その反対の「ほめる」ことがトレンドのようです。


(1)首都高「ホメドライブ」キャンペーン  
首都高速道路株式会社は、昨年8月より、コミュニケーションの力で首都高の交通事故削減を目指す「東京スマートドライバー」プロジェクトを展開しており、この度、日産自動車株式会社の協力により、良い運転を見つけて褒める新しい文化の創造を目指した新発想の交通安全キャンペーン「ホメドライブ」を4月21日より開始する。
首都高では、年間12,000件の事故が発生しており、その事故が原因で発生する渋滞距離は年間で25,000km以上となるが、これらの事故が1件減ることにより、2kmの渋滞解消と3トンもの Co2排出量が削減される。「東京スマートドライバー」プロジェクトは、コミュニケーションの力でドライバーの意識を変えることにより、首都高での事故数の削減、およびCo2排出量削減を目指す社会貢献型プロジェクトである。(4月9日 首都高速道路株式会社発表)

(2)おちまさと&OKWave(Q&Aサイト)の『ホメラニアン』プロジェクト
●質問者の方へ
『ホメラニアン』は「とにかく誰かに誉めて欲しい」というとき、その気持ちを質問として投稿できる場所です。
●回答者の方へ
『ホメラニアン』は「誰かに誉めてほしい…」とを訪れる人たちを、とにかく「誉めて、誉めて、誉めまくる」ミッションのもとに運営される場所です。あなたなりの誉め方で、誉められたい人を満足させてください。
『ホメラニアン』では「誉め方の上手い人」が優秀な回答者です。ぜひ、あの手この手で、誉め上手ぶりを競ってください。
(『ホメラニアン』FAQより抜粋)

プロフィール

桑畑 幸博

慶應丸の内シティキャンパスシニアコンサルタント。
大手ITベンダーにてシステムインテグレーションやグループウェアコンサルティング等に携わる。社内プロジェクトでコラボレーション支援の研究を行い、論旨・論点・論脈を図解しながら会議を行う手法「コラジェクタ®」を開発。現在は慶應丸の内シティキャンパス で専任講師を務める。また、ビジネス誌の図解特集におけるコメンテイターや外部セミナーでの講師、シンポジウムにおけるファシリテーター等の活動も積極的に行っている。コンピューター利用教育協議会(CIEC)、日本ファシリテーション協会(FAJ)会員。

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