2007年7月 4日 3分間ラーニング, 名言アーカイブ

思考のための情報量

  決断というのは、100%の情報があったら誰でもできます。
  しかし、それじゃビジネス・チャンスとしてはもう遅い。
  本当の決断は、60%ぐらいの時でなければいけません。

   河毛二郎 (元王子製紙相談役)


意志決定は情報、つまり判断材料がゼロの状態では行えません。
しかし、100%の情報を集めれば本当に正しい意志決定ができるのでしょうか。
いや、100%の情報を集めることがそもそも不可能なはずです。
(何をもって100%と判断するかどうかすら決められるものはありませんし)

にも関わらず、「これだけの情報では判断できないよ」と我々は安易に述べていないでしょうか。
もちろんその発言が正しい場合もありますが、この発言を責任回避や思考停止の言い訳に使っていないと、本当に言い切れますか?

河毛さんのこの名言は、『経営者の心得』として語られているわけですが、これは別に経営者に限ったことではなく、また決断(意志決定)の場面だけではなく、思考全般にも適用できると思います。

特にネット社会においてはスピードが要求されます。
のんびりと情報を集めてから考えようとしていたら、競合に出し抜けをくらったり、株式投資で大損したりします。

では、この名言からどのような課題が見えてくるのでしょうか。

私は、そこに「効率的な情報収集」と「手持ちの情報で考える」という2つの課題があると考えます。


(1)効率的な情報収集

ここではネット等を活用した情報収集術については触れません。様々なメディアで様々な手法が紹介されていますので、興味を持たれた方はご自分で調べてみてください。
さて、ここで私が提案したいのは至極単純なこと。「どのような情報が必要なのか事前に考える」ということです。

「当たり前だろう」と思われるかもしれませんが、これ、意外とできていない人が多いのです。さて考えようという段になって、「ああこれを調べなきゃ」といなってしまったことがありませんか?
また、せっかく事前に考えても、その計画が甘かったために、やはり同じ状況になったしまったり、調べてるうちに「あれもこれも」と、どんどん調べる情報量が増加し、時間ばかりがかかってしまった経験はありませんか?

そうならないためには、まず「何と何の情報が必要なのか」を大まかに分けて考え、それでヌケモレがないかをチェックすることが重要です。
その後さらに具体的にブレークダウンしていき、時間的制約や重要度を加味して優先順位付けを行って、必要な情報を絞り込みます。「あった方がいいけどまあ無くても」という情報は調べるだけ時間の無駄ですし、情報が多すぎてかえって思考を阻害する場合すらありますから。
そして最後に情報入手のメディア(本なのかネットなのか直接誰かに聞くのか等)を決めるのです。

こうすれば情報収集時間も見積もりやすくなりますし、ヌケモレも無くなり、結果的に短時間で情報収集が可能となります。やはり「ナニゴトも計画が大切」なのです。


(2)手持ちの情報で考える

時には情報収集の時間すら与えられないこともあるでしょう。たとえば会議で意見を求められた時に、「いや判断材料が少なくて・・・」とは言えないはずです。
そうすると必要なのは、手持ちの少ない情報を駆使して考えることであり、そのための技術やなんらかのコツを身につけておくことです。

ここで皆さんにお勧めしたいのが、以前のエントリーでご紹介した『4つの疑問符(Why? ・ True? ・ So What? ・ Another?)を自分自身に問う』ことです。

まずは手持ちの情報から「何が言えるのか?」、つまり「So What?」を問うてみる。
うーんと考えて何か思いついたら、「他に言えることは?(Another?)」を繰り返し問う。
「So What?」で導き出された答えはあくまでも推論ですから、「でもこれって本当かなあ?(True?)」と問いかけて、きちんと評価する。
また、思いついた答えに対して「でも、なぜ自分はそう考えたのだろう?(Why?)」と問えば、自分の思いこみや固定観念の存在に気づく場合もあります。

「Why?」はその他にも、手持ちの情報に対して「でもなぜこういうデータが出る?」という形で問うてやれば、目に見えていない情報を少なくとも推察することができます。これによって、手持ちの情報を「考えることで増やす」ことすらできるのです。(もちろん情報の精度は落ちますが、ロジカルに考えれば表面的な情報から他の情報を想定し、その精度を高めることは可能です)


いかがでしょうか。
繰り返しになりますが、『手持ちの情報でどれだけ広く・深く考えることができるか』は、我々ビジネスパーソンにとって重要な課題です。

効率的(スピードの速い)・効果的(間違えのない)思考や意志決定のためにも、今一度習慣づけのための自分なりのやり方を考えていただきたいと思うのです。

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