2007年4月アーカイブ

トヨタ自動車の2007年1~3月期の世界販売台数(ダイハツ工業、日野自動車含む)が、前年同期比109%の約234.8万台となり、1931年から年間首位を守っていた米ゼネラル・モーターズ(GM)の226万台(前年比103%)を、4半期ベースとはいえ初めて上回り、ついに世界一になりました。
地域別の販売台数を見ると、最大市場の米国で60万台強、欧州で33万台弱、アジアは28万台強と、いずれも前年比120%に迫る伸び率です。

主要メディアはこの原動力として、「中国を中心とするアジア市場の拡大」「低燃費と信頼性を売りにした小型車による米・欧でのシェア向上」「米国を中心とした高級ブランド『レクサス』の好調」を挙げています。


さて、皆さんも既にこのニュースに触れていると思いますが、ここから何を考えましたか?

「日本メーカーがトップ! うれしいなあ」というのは、心情的には理解できますが、それではまだ考えているとは言えません。

「日本でもトヨタ一人勝ちの構図がより強まるな」・・・まずまずです。

「今後業界全体で、燃料電池車やディーゼルハイブリッド等の技術競争が進むだろう」
「今後さらに自動車業界のM&Aが加速するのでは」

・・・なかなか広く、深く考えていますね。これくらいはビジネスパーソンなら考えてほしいところ。以前の4週連続のエントリー(考え抜く習慣をつけよう)でお話しした、「So What ?」「Another ?」を問い続けていればできるはずです。

そしてできれば、
「でも、国内はどうなんだ? 軽自動車の躍進に普通自動車は押されているはずでは?」
「とすると、特にダイハツの伸び率と比率はどうなっているのかな?」
「レクサスも日本国内では苦戦していると聞いているけど、ホントに好調なのか?」
「GMも抜かれたとはいえ、単独では伸びてるわけで、他の理由もあるのでは?」

という疑問も持っていただきたいと思います。

それも“自分の頭で考える”ためには必要不可欠であり、またそうした疑問がきっかけとなって、我々は初めて情報収集の必要性に気づくからです。


・・・講師モード(笑)はほどほどにして、このニュースから私なりの切り口で考えたことを、以下に述べてみたいと思います。

4月に入ってからというもの、連日の新入社員研修に追われていましたが、ようやく一息。(5月の連休明けにもう1社ありますが)
おかげでブログも先週は更新できず申し訳ありませんでした。

そういう時期でもありますので、今回は新社会人として新しい一歩を踏み出した方々に、私からささやかなアドバイスをさせていただきたいと思います。


さて、今さら言うまでもなく、仕事はひとりでやるものではありません。
上司や同僚、関係部署をパートナーとした、共同作業で行うものです。また、時にはクライアントや協力会社が共同作業のパートナーとなることもあるでしょう。

そしてそのパートナーには、実に多様な「人」がいます。
今までは教師や先輩という一部の選択の余地のない人を除けば、気の合う人を友人として選び、そしてつきあっていれば良かったかもしれません。
しかしこれからは気の合う/合わないに関わらず、様々な人とつきあわざるを得ません。特に年代的にみなさんよりかなり上の「オジサン」連中は、なかば異星人のように感じられるでしょうし、どうつきあうべきか頭を悩ませることでしょう。

「あんたの考えは古いんだよ!」
「なんでこんな細かいことにいちいちウルサイんだ?」

と心の中で叫ぶことも、これから何度でもあると思います。
しかしちょっと待ってください。

彼らは、あなたの“敵”ですか?


少し冷静に考えれば、どんなに古くさい考えから抜け出せず、細かい小言が多いとしても、彼らはみなさんのパートナー、青臭い言い方をすれば“仲間”であることはおわかりでしょう。

しかしかく言う私も、若かりし時代にはそれが理解できていませんでした。

前回のエントリーでは、組織で仕事を進める際に必ず発生するコンフリクトへの対処として、“アコモデーション(異なる世界観の同居)”という概念をご紹介させていただきました。

そして次に課題になるのが、「どうやってアコモデーションを実現するのか」です。

たとえば会議で対立している二者がいるとして、そこで「おふたりとも一歩ずつ妥協しませんか?」と仲裁するだけでは、ふたりの異なる世界観を同居させたとは言えません。結果アウトプットが妥協の産物になれば、どこぞの国の某法案のようになってしまう場合すらあります。

ここで私自身は、『上位レベルと下位レベルの両面作戦』が有効だと考えています。

さて、前回私はアコモデーションについて、「時にはぶつかりつつも良好な、一つ屋根の下の嫁姑関係」というメタファーで表現しました。
そこで今回も、再びその『嫁姑関係』メタファーを使って、具体的にその両面作戦を説明してみたいと思います。

プロフィール

桑畑 幸博

慶應丸の内シティキャンパスシニアコンサルタント。
大手ITベンダーにてシステムインテグレーションやグループウェアコンサルティング等に携わる。社内プロジェクトでコラボレーション支援の研究を行い、論旨・論点・論脈を図解しながら会議を行う手法「コラジェクタ®」を開発。現在は慶應丸の内シティキャンパス で専任講師を務める。また、ビジネス誌の図解特集におけるコメンテイターや外部セミナーでの講師、シンポジウムにおけるファシリテーター等の活動も積極的に行っている。コンピューター利用教育協議会(CIEC)、日本ファシリテーション協会(FAJ)会員。

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